アンコール詣で。

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ピエールロティの名著「アンコール詣で」を読んだのが高校生時代でした。その後、アンリ・ムオの「タイ・カンボヂァ・ラオス諸王国遍歴記」に出会うまでは時間がかかりました。
この本は実に退屈に感じられたのですが、妙に心に食い込みそれ以来ずっと心の中にアンコールワットが存在するようになりました。
1993年、ようやく一般に解放されたアンコールワットを独りで訪れたときあまりの感激に足が震えたのを覚えています。
観光客は皆無に等しく、ホテルも数件しかありませんでした。アンコールワットに足を踏み入れると柔らかく暖かな石の感覚が伝わってきました。
銃を持った兵士が佇む横を僧侶が通り過ぎてゆきます。小さな子供が遺跡の中で遊び、ようやく訪れた平和を楽しんでいるかのようでした。静かで幸せな時間が流れていました。
それからというもの取り付かれたようにアンコール詣でを続けました。
そして二十数回目となるこの「詣で」では、人の波に押され、柵と板張りに支配されたアンコール遺跡群を訪れる観光客に怒りすら覚えるようになってしまいました。
世界遺産指定とはなんなのか。歴史遺跡を破壊するために指定したのか。世界遺産を追いかける人は何を求めているのか…………などと単純な思考しかでてきません。
きっとまた訪れるのでしょうが複雑な心境です。

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